小学校5年生の頃の話です。
私は当時、不登校だったので、
学校に行けない自分に焦りを感じていました。
そんなある日、新聞の広告で
「声優養成講座」という文字を見かけました。
声優の通信講座で、テキストやカセットテープが送られてきて
それで練習するというものです。
当時3万円しました。
私は子供の頃から友達がいなかったので
アニメが友達みたいなものだったのです。
そんなこともあり、私の子供の頃の夢は「声優」でした。
夢は私にとって大事なもので、唯一の救いだったのです。
誰にも言わずに胸に秘めていたのですが、
不登校の焦りと相まって広告を目にしたことで、
藁にもすがる思いでつい申し込んでしまったのです。
そうこうしているうちに、教材が届き、
料金の振込用紙が送られてきました。
しかし、3万なんて大金は子供の自分がもっているはずもなく
親に内緒でやってしまった手前、相談もできず、
どうしようと思っているうちに、
督促状が届くようになってしまいました。
怖くなった私は、なんとかしなければと
家のレジから(実家は飲食店でした)
お金を取ってしまいました。
支払いはできたものの
お金を取ってしまった罪悪感でいっぱいでした。
そんな罪悪感から私は、
大人になって働くようになってから
親へ仕送りをするようになりました。
額は、よく覚えていませんが、
一度に5万ほど送ったこともあり、
おそらくは総額で50万~100万の間くらいは送ったと思います。
そのお金は実家のローンの返済に使われたはずです。
今となっては高い買い物だったなと後悔しています。
そもそも通信講座で声優になれるはずありませんからね。
そのうえ、大人になってから親に「泥棒」と言われました。
たしかに盗んでしまったので言い返すことなどできず、
仕送りは罪悪感からしましたが、
親にとっては当然のお金なわけです。
学校に行けなくなった理由の一つは親だったけれど、
その親に泥棒と言われると
複雑な、なんともいえないものがありました。
今でも思い出すと、反省と後悔がこみあげます。
精神的にそれだけ追い詰められていたんですね。
そんなわけで、ここに記すことにした次第です。
通信講座で大失敗したお話でした。
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