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【読書録】「「やりがいのある仕事」という幻想」を読んで

おうち時間充実

「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)

森博嗣さん著書

「「やりがいのある仕事」という幻想」を読みました。

この本がすごいのは、10年も前(2013年)に書かれているのに

古さを感じないところです。

10年経てば社会の状況も変化しています。

ですが、現在(2023年)の状況を的確に捉えているうえに、

今後はこうなっていくというような話まで書かれていて驚きます。

本書は、「やりがいのある仕事という幻想」というタイトルの通り、

誰もが抱く仕事に関する問いに答えてくれる一冊です。

そもそも、やりがいってなんなんだろうと思いますよね。

そもそも働くってなに?仕事ってなに?と様々な疑問があると思います。

私の経験をお話しますと、

うちの両親はことあるごとに「働かざる者食うべからず」と言っていました。

しかし、本当に働いている人が偉くて、働いていないとダメなんでしょうか?

社会的な認識としては、仕事が人間の価値みたいな時代がずっと続いていました。

それこそ女性には選挙権すらない時代もあったのです。

私の家も母親はいつも、

父親は一家の大黒柱だ、偉いんだから敬いなさい、

女は男の三歩後ろを歩け、というものから

おかずは3品用意しろなんてものまでありました。

前時代的な考え方だったんですね。

子供心ながらに、こんなメンドクサイ男というものと

なぜわざわざ亭主関白男尊女卑な家庭を作らねばならないのか?

と思って恐怖したものです。

両親は夫婦二人で食堂を経営していたので共働きでしたが、

それでも男はエライ、働いているものはエライ、働く男はもっとエライ

という風でした。

家庭の中で男女が対等ではないという教えは、

私が酷い男性恐怖症になった背景にもなっています。

話を本に戻すと、「人は働くために生きているのではない」ということです。

人は働くために生きていると信じられていた時代がずっと続いていたから

そうなっているという話なんですね。

仕事をして一人前、お金をたくさん稼ぐと偉い、

と言われてはいるけれど

人間の価値は仕事とは無関係であって、

仕事は人間の価値を決めるものだ、という

社会の認識が根強かったせいなんですね。

では人間の価値は何で決まるのかという話ですが、

結局は人それぞれなんですよ。

自分で自分を評価すれば良いだけなんです。

だれかに評価されるものではないし、

逆に誰かを自分が評価するのも違うと言うんですね。

仕事で成功するというのも、

自分にとって何が成功なのかがわかってないと

そもそも成功とは何なのか?という話です。

やりがいもそうですよね。

そもそもやりがいとは?

それはほんとうに必要なのか?

というところから考えることが大事なのかもしれません。

今後は仕事は減っていくと言います。

なぜなら人間がそれを望んだから、だそうです。

昔は物理的に食べていくために労働が必要だったんですね。

しかし社会が成熟すると仕事が減っていくものだと言います。

また、多様性はもっと進むとも言います。

でも、その中からまた新たな仕事も生まれるかもしれませんね。

そんなことを思いました。

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