【読書録】土井善晴さん著書「味つけはせんでええんです」を読んで

味つけはせんでええんです【電子書籍】[ 土井善晴 ] 価格：1,760円 (2023/12/10時点) 楽天で購入

こんにちは、ともです。

土井善晴さん著書

「味つけはせんでええんです」を読みました。

タイトルの、味つけはせんでええ、の部分が気になり、

手に取ったのです。

シンプルな料理を紹介した本なのかな～と思って、

気軽に開いてみたら、

まったく全然違いました。

ふ、深い…深すぎる。

料理ってこんなに深いものだったんですね。

人間の誕生から宇宙にまで広がってゆくのがすごい。

料理が人間を作ったのかもしれないなんて…。

生きることは料理をすることだったとは、

頭をガツンとやられた思いです。

一汁一菜という有限のなかに無限があり、

有限であるからこそ、その中で自由にさせて頂いていたのです。

まさに、お釈迦様の手のひらの上で転がされていました。

料理に生かされていたんですね。

贅沢なものが食べたいと、寿司だの牛肉だのスイーツだのと、

いつも言っていましたが、

本当の贅沢はそこじゃないのか？と思えてきました。

自分の手で作り上げ、自分で食すことができる贅沢さ。

そして、自然はいつでも、こちらが味つけしなくても、

おいしくしてくれていたのです。

テクノロジーがいまよりもっと進化をし、

もし、AIやロボットが料理をしてくれて、

食材選びから味付けから完璧においしくしてくれて、

片付けも代わりに全部やってくれたら、

楽で便利で美味しいのだから、

そっちの方がいいに決まってる、

と、ちょっと前までは思っていました。

いやいや、この本を読んでしまった今は、

どんなにお金を積まれても、

自分で作ったあんまりおいしくない料理を選ぶかもしれない。

なんなら、後片付けも全部こちらがやりますから、

逆に、ロボットに自分の手料理を食べて頂く日がくるかもしれない（笑）

本気でそう思えてくるから不思議です。

そうやって、自然の中の一部として自分があり、

料理をし、自分で食べる、後片付けをする。

この繰り返しの中にこそすべてが詰まっていたんですね。

味つけとかそんな次元のことではなかったのです。

だから味つけはせんでええんですね。

味つけはせんでええんです