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【読書録】「売上を、減らそう。」を読んで

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中村朱美さん著書

「売上を、減らそう。」を読みました。

中村朱美さんは、「佰食屋」という国産牛ステーキ丼専門店を経営されている方です。

驚くのは、佰食屋は売り上げる数を100食に限定するという営業形態で、

ランチのみの営業で、飲食店でありながら従業員の残業ゼロを掲げている点です。

というのも、私の実家が食堂を営んでいましたので、

飲食店というのがキツイ仕事だということは身に染みて知っていたからです。

長時間労働は当たり前、休みも無く、

両親は、「お客様は神様」と言って公私の区別無く働いていました。

それを否定するつもりはありませんが、

働くのは、家族が幸せに暮らすためのはずなのに、

その仕事を支えている家族がないがしろになっていました。

誰かの犠牲によって成り立つような商いは、

持続が難しいと思います。

両親の食堂も今は無く、

昔を思い出し、もっと早くこんな働き方を知ってたらな、

なんて思ってしまいます。

佰食屋さんでは、働く人の幸せが優先です。

100食と決まっているため準備する量を前もって計算出来て、

メニューを絞ることで働く人が仕事を早く覚えることができるうえに、

フードロスも出しません。

心の余裕を持って接客できるため、

お客様に心からのおもてなしが出来ると言います。

仕事が早く終わるので、それぞれが思い思いの時間を過ごせるそうです。

そうしてまた、時間の余裕は心の余裕につながりますよね。

また、佰食屋さんではマイノリティ人材の採用をしているそうですが、

積極的にではなく、たまたまそうなったんだそうです。

100食と限定し、メニューもシンプルにすることで

どんな人でも働ける環境が出来上がりました。

しかし、裏を返せばだれにでもできる仕事なわけです。

ですが、毎日決められた事を丁寧にコツコツやるというのは、

一つの能力です。

従業員である前に一人の人間として接し、

1人1人の能力に会社側が合わせるという社風から

その社風に合った人材を採用しているとのこと。

よく考えたら、従業員だって人間なのだから当たり前ですが、

この当たり前は、普通の会社ではあり得ないですよね。

しかも多様性のある人材採用によって

従業員同士が自然にフォローしあい、

そういう中で、お客様の多様性も受け入れていくことにつながり、

その中からまた新たなサービスが生まれるという

好循環に繋がっているそうなんです。

誰もが働きやすい環境で誰の犠牲も出さず、

誰にとっても幸せな働き方。

こんな働き方があるんだと目からうろこでした。

佰食屋さんは現在、「働き方のフランチャイズ」を目指しているようで、

こういった働き方や仕組みがもっと世の中に広がるといいですね。


売上を、減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放(ライツ社)


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